新 武蔵野人文資源研究所日報

旧武蔵野人文資源研究所日報・同annex移行統合版

話の特集」の1971年のある号には、生田耕作さんの過激な大岡信批判が載ってました。たしかこの批判のおかげで人文書院の「ブルトン全集」が刊行半ばで途絶したような記憶がありますが、このころの生田氏による同業者の翻訳批判は、野次馬としては最高に面白い読み物でした。余談ながら、二見書房の「バタイユ全集」の伊東某氏による訳があまりにもお粗末なことにあきれられて、自分なら少しはましな訳ができると(あてつけ気味に)自費出版され、ついにはあの「サバト館」もはじめられました。また、国書刊行会の「セリーヌ全集」では監修者でしたが、版元が選んだ下手な訳者の一人と殴り合って歯を折られたこともあると聞いてます。

──「三月書房販売速報」より