新 武蔵野人文資源研究所日報

旧武蔵野人文資源研究所日報・同annex移行統合版

酒井泰斗ほか『概念分析の社会学2――実践の社会的論理』

献本と言えば、こちらもご紹介せねばなりません。遅くなりました。
いや、購入しようとしていたこの書を何故いただけるのか、当初わからなかったのですね。言い訳ではないですけども。

 

が、本書「おわりに」の隅の隅に当方の名前がほぼ消えなんとする直前のような気配でわずかに掲載されており、そこに掲載されている理由から本書完成に至るまでの、編者酒井さんのある深謀遠慮(企画設計)のようなもののスケール感にはいたく感嘆したのでした。ありがとうございました。

 

内容は、こういう思考法に慣れない者にとってはなかなかに歯応えのあるものですが、ある種の知見が抽象性と具象性を兼ね備えたかたちで提示されるのが社会学というものの興味深いところで(酒井さんもそう書いている)、その手口に慣れてしまえば当代一流の書き手によってその緻密な徹底ぶりが実にダイナミックに堪能できます。


こういうものも読んで鍛錬しましょう。何かを。

『概念分析の社会学2─実践の社会的論理』(酒井泰斗・浦野 茂・前田泰樹・中村和生・小宮友根 編、2016年4月、ナカニシヤ出版)